被食者と捕食者

8月の終わりに神奈川県動物愛護推進員の意見交換会・活動報告会がありました。H30年度から筆者も推進員になったのでもちろん参加…というのもそこで開催される講義の講師がJAHAでお世話になっている羽金先生というのもありました。

先生はコミュニケーションのプロフェッショナルなのでどんな講義かは明白でした、会場でまず先生にご挨拶、その後、僕の担当地区の方々とご挨拶しながら新参者なのでコソッと目立たないようにしていると、さすがの先生の講義、素晴らしい内容、神奈川の推進員の集まりには初めて呼ばれたのか、みんな話に引き込まれているのが明白…の中、受講生に絡む手法の所で僕の所に来て「知り合いだったので行ってみました」と…その瞬間「え!?!?」と言う周りのザワツキが見て取りました、一気に目立ってしまった(苦笑)

そんなこんなで素晴らしい講義が終わりグループワークで日ごろの活動の悩みを出してみんなでアドバイスなどあげたりもらったりしてたのですが、僕の悩みはウサギ問題でした。

飼われていたウサギが捨てられ、そこから増えたらしく、私有地の畑の中に穴を掘って子供を産んでいる、今年の春ごろから見かけだしてるという話がでてたからです。細かくは書けませんが、ちょっとそれまずくないかなぁという匂いがプンプンする状況が予想できたからです。

保護センターも最近捨てられウサギ多い問題、 この捨てられたウサギ増えてる報告ある問題ですが

それについての反応は「犬猫以外でそんな事例があるのか的な反応と、「それは大変だ」といった僕の危惧する同様のものと、あとは「ほおっておいて問題ない」「問題点がわからない」という反応、全ての人から意見を聞く時間はありませんでしたが、そのままで問題ないという意見がその時は多かったんですよね。

理由としては「ウサギは捕食される動物だから」ということです。

増えてももともと5年も生きればいいし、捕食される側の動物だから、見かけてもすぐにいなくなる…という内容の物でした、確かにそうかもしれません、でも本当にそう言い切れるのでしょうか?そして、それでいいのだろうか?と僕は首をかしげます。

以前記事にも書きましたが、神奈川県の野生動物救護ボランティアも取り組んでいるので、猛禽類の世話とか、どういったものが保護の対象で、どういったものが手をかけてはいけないかはのかは取り組んでいない人よりはわかっているつもりです。

ネコは捕食動物です、ウサギは被食動物です、同じ、もともと飼われていた子が捨てられ、増えていく一方で、ウサギは食べられるから減る、猫は食べる側だから減らずに増えていくから何とかしないと…という考えなら僕は違うと思うのです。

ハンターの猫も最初はあかちゃんです、四六時中母親が面倒見ていてもカラスを呼び、虐殺されることもあります、呼び寄せられたカラスは人にも困らせることになります。

ウサギは夜行性ですが昼間も活動はしてます、活動しているけど昼間に子育てしないので、一見子供がいないように見えて人知れず増えている可能性もあります。ウサギは猫よりもサイクルが早く、3か月で妊娠可能になり、30日で子供を産みます(猫は約60日)いまは農家の人も微々たる被害で我慢していても、爆発的に増えたときには遅いと思います。多くの人が言うように増えても食べられ、弱り虹の橋を渡り、減るほうが早いかもしれません。なんの心配もないかもしれません。

でも、カラスやらハクビシンやらアライグマ(ハクビシンの天敵)やら呼び込まないかという不安もあるとは思いませんか?心配しすぎなのでしょうか?

そしてフト思うんです、動物愛護ってなんだろう?愛護推進員ってなんだろう??と。もともと野生なら問題ないのですけどね。

そして、よく僕がするたとえですが、大きな池に蓮の葉がたくさんありました、日を追うごとにこの葉は倍に増えていくものとします、この蓮の葉で水面が埋め尽くされるまでの日数が30日後だとしたら、埋め尽くされる直前って何日後だと思いますか?

15日後じゃないですよ、29日後なんです。前日まで全然平気と思っても、次の日に手が付けれなくなるのです。

キョンの問題を知っていますか?彼らも被食動物ですが、どうにもならないほど増え、 防除という名の大量虐殺に入ってますね。

誰かが捨てたことで東京や神奈川で爆発的に増えてしまって数千羽単位で飛び回って問題になっているワカケホンセインコをご存知ですか?

いろんな意見の人を参考に、そして調和を取るのを第一に考えて見守っている最中ですが、キョンやホカケホンセインコのように29日を過ぎてしまった状態にならないように、まだノーマークだけどその状態になりつつある種が出てこないことを祈るとともに地道に活動していこうと思います。