奪われた声

まだ明るい時間で涼しいという嬉しい状況、ウキウキで愛犬と散歩してました。この日のコースの途中、いつもはとある家の敷地の中から元気すぎるほどの声で吠えかけてくるワンちゃんの声がおかしいことに気が付きました。鳴き声がおかしい、ワフンというか、ケフンというか、鳴き声の音の通りがおかしいのです。

そう、どうやらこの子の飼い主さんは「声帯切除」を選択してしまったようです。人もガンなどで声帯を取ってしまう事はありますが、それは命を助けるための物、そして、結構知らない方も多いのではと思って書きますが、犬の声帯をとっても鳴き声が聞こえなくなるわけじゃないんですよ。音量が控えめになるイメージと思っていただけるといいかもしれません。

ワンちゃんの声帯切除はできれば選択してほしくはないですが、やむに已まれぬ理由があればその選択を非難する事は僕はできないと思っています

EVAの杉本彩さん監修の漫画、しっぽの声の1エピソードで、吠えをやめさせられず、近隣から攻め立てられ続け、最後は泣きながら自分の愛犬を射殺したお話があります。

吠えは本来犬の当然の行動で、しつけ等もできますが、犬も痴呆があったりしますのでどうしようもないこともあるでしょう、譲渡等の選択肢もあったと思いますが、あまりにも攻め立て続けられてしまって冷静な判断力もなくなってしまったのかもしれません。クレームを言う側ももう少し考えてあげる必要があると考えさせられたと共に、声帯切除という虐待にしか見えないものでも、完全否定はできないなと思った事例でした。

とはいえ、今回のケースはそこまで考えぬいての決断だったのだろうか?という疑問が残ります。残念ながら飼い主さんの判断次第ですが、僕はあの吠えは生活の改善ですぐに改善できるものと思っていたので、もし、安易な選択だったらと思うと残念で仕方がありません。

似たようなケースで鳥のクリッピングがあります。風切り羽を切り飛べなくする、もしくは飛びにくくする処置です。

鳥のクリッピングは色々な意見がありますが、個人的な意見としては「飛べなくするクリッピングはすすめられない」「小型の鳥はしないほうがいい」という結論に自分の中ではなっています。

セキセインコ程度なら飛翔力落とすとかえって危ないと思いますし、クリッピングする理由に「にげないようにするため、鍋などに落ちたりしないように」といった危険回避の記事をよく見ますが、犬の誤飲や逃走と同じで人が気をつければいいと思うのです。鍋に落ちるってなんだろう…料理しながらの放鳥しなければいいだけじゃないか?とか思うんですよね。

また、野生動物の傷病鳥獣保護(タカやアオバズク、燕等々)もやっているので、担当の獣医さんにご意見を聞いたところ、やはりその方も小型の鳥のクリッピングのメリットがわからないとの事で、また「あと、奇麗に切るとかえって速く飛びますよ」とも言われてました。

まとめ

今回知ってほしいな、考えて欲しいなと思う点は2点です

  • 犬の声帯切除は吠え声が聞こえなくなるわけではない
  • 小型の鳥のクリッピングはメリットを見直してからするべき

人間の都合で動物の体に傷をつける事自体を人との共生の調和のためを考えたらすべて否定は僕はしません。ですが、それはそれ相応に考えてから行うべきで、安易であってはならないと思うのです。